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年末年始の帰省時は、親の状態をチェックして早めの対策を

2017-12-18
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いよいよ年の瀬も押し詰まったが、年末年始に帰省した際などに、親の生活ぶりを観察することを忘れないでほしい。
普段一緒にいると慣れてしまって気付かないことも、たまに会うと、「あれ? どうしたんだ?」と変化に気づきやすい。「なんだか変わった」と感じたら、その印象を放置せず、対策につなげていくことが大事なのだ。

知人のAさん(40代)は昨年末に実家に帰って衝撃を受けたという。
なぜならば、離れて一人暮らしをする80代の母親が自宅で転んだと聞き、心配になって電話してみると「お医者さんに診てもらっているし、特に問題なさそうだから安心して」と言われ疑わなかったのだが、いざ帰省してみると、それまで背筋がピンと伸びて姿勢のよかった母親の腰は90度曲り、見るからに衰えを感じさせたという。 
まさに、Aさんの母親は、責任ある仕事を任され、忙しくしているAさんに心配をかけまいと敢えて「安心して」と言ったのだった。とは言え、Aさんは自身の帰京と同時に母親を東京に呼び寄せ、信頼できる医師に診せたという。その結果、今はすっかり元気を取り戻し、近所のサービス付高齢者住宅で同郷の友人と楽しく暮らしているとのことで安心していた。

帰省の際は親の変化を観察するよいタイミングなので気をつけて見てほしい。
そのポイントは以下の2点である。

「どこかにつかまりながら歩いていないか?」

「何かをすることに億劫になっていないか?」

こうした現象が起こるのは、加齢にともなって親の身体機能が低下していることが大きな原因。何かをするのに億劫になるのは、動作一つひとつに時間がかかるため、入浴が面倒になったり、布団の上げ下ろしができなくなったりしているケースが考えられる。

もともとお風呂が嫌いな方が入浴したがらないのは身体機能の低下とは考えづらいが、「几帳面で綺麗好きだった親が風呂に入るのを面倒くさがるようになった」、「布団を敷きっぱなしにしている」、「食卓や台所にモノが散乱している」という場合は、注意が必要である。

親の変化を早めに把握し、対策を講じることが介護離職予防の肝である。

=本記事は、夕刊フジに連載しているものです。
 

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