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映画「毎日がアルツハイマー」から学ぶ

2018-09-28
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友人が先日映画『毎日がアルツハイマー ザ・ファイナル』を見たという。
実際にどんな映画かと訊くと、監督の関口祐加氏が、認知症の母ひろこさんの介護生活を撮ったドキュメンタリー『毎日がアルツハイマー』『同2』に続く最終章でこの『毎日がアルツハイマー』シリーズは、認知症の親との生活がどんなものか、包み隠さず映し出しているという言うまでもないが、認知症の症状などは、以前に比べれば一般にもかなり知られてきている。

しかし、いざ自分の親がそうなると、頭で理解していても、教科書どおりに冷静に対処できることはまずないだろう。
その点、介護生活も5年経った関口氏は、突然怒り出す、興奮する、大声を上げるなど、子どもにとっては戸惑ってしまう認知症の親への対処が、すっかりベテランの領域なのだという。もっとも、介護をする側も確実に歳をとる。最終章では、関口氏が自らの身体の衰えを明かすが、冒頭から、股関節の手術の様子が映し出されるらしい。突然母親のひろこさんが怒り出したのも、関口監督が手術のため、しばらくショートステイをしてほしいと言ったことがきっかけだったとのことで、「なぜ、自分の家なのに、家にいられないのか」と怒るひろこさんに、関口氏はその場から移動して、ひろこさんの気をそらしたというが、それも直近のできごとを忘れてしまう認知症の人には効果的な対処法なのだ。これは、認知症の高齢者に限らず、怒りっぽくなった親との付き合い方のヒントにもなるだろう。ともにヒートアップするのでなく、その場からいなくなって、ひと呼吸置くというのはわかりやすし。

ところで、関口氏は、2回の手術を受け、リハビリのため7週間にも及ぶ入院生活を送ることになり、結果、自身も「要支援」となったという。
介護する側が介護される側になる——それは抗えない流れであり、ひろこさんの認知症はさらに進んでいくだろうが、関口氏が出した結論は・・・筆者はまだ観ていないが、友人によるとぜひ多くの人にこの映画を見てほしいとのこと。
みなさんも高齢の親を抱える人が多いだろう。「自分だったらどうするのか」。このような映画を観ることも、親と自分のこれからをシミュレーションする良い機会になるのではないだろうか。

=本記事は、夕刊フジに連載しているものです。

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このコラムを書いた人:「オヤノコト.マガジン」編集長 大澤 尚宏(Osawa Takahiro)
著書『そろそろはじめる親のこと』(自由国民社)

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