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老後の暮らしは50代から真剣に考えよう。昔のように「一億総中流」の時代ではない

2019-07-26
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画像はイメージです




ここのところ、週刊誌の広告見出しを見ていると、「老人ホーム」での虐待などの事件や事故を含め、不祥事について取り上げられている記事が多いように思う。
老人ホームは元気なうちから入居し、介護が必要になったら介護棟に移ってそのまま生活できるという「自立型」と、要介護者が入る「介護型」がある。

細かい分類をここでは避けるが、入居一時金が数千万円というホームもざらではなく、入居後も月額費用が(差異はあれど)数十万円かかるので、相当お金をもっていないと、人生100年時代、入居し続けることは難しいだろう。
私もこれまでいくつもの老人ホームを取材したが、そもそも40代、50代の入居募集担当者が「うちのホーム、自分なんかは絶対に入れませんけどね」と苦笑されたこと度々だ。

つまり、今の80代以上、あるいは70代で、そこそこの企業でがっちり勤めあげたような人や資産をばっちり持っているような人でなければ老人ホームに入れない時代が目の前に来ているといえるだろう。

ところが、前述したように、不祥事も多い。
実際に入居者から預かった入居一時金を使い込んだまま、同業者へ事業を売却し、刑事告訴されたような事件を記憶している人も多いだろう。

高齢化に核家族化がすすみ、地方に高齢の親が一人暮らしという人多いと思うが、「そろそろ親を呼び寄せて老人ホームへ」とか、「いずれ年をとったら老人ホームへでも」と安易に考え過ぎない方がよい。

先日も、某大手住宅メーカー系の老人ホーム事業者の依頼でセミナー講師をさせていただいたが、講演後の質問でも(およそ70代とおぼしき方々から)「入居した老人ホームが破綻したら出ていなかければならないのか?」とか、「そもそも年金+アルファくらいで入れる老人ホームはないのか?」というものがあった。
昔のように、「一億総中流」の時代ではない。老後の住まい。老後の暮らし方は、50代から真剣に考えておくことをお勧めする。
人生100年時代というが、備えが大事であることは言うまでもない。


=本記事は、夕刊フジに連載しているものです。

 

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このコラムを書いた人:「オヤノコト.マガジン」編集長 大澤 尚宏(Osawa Takahiro)
著書『そろそろはじめる親のこと』(自由国民社)