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ゆうゆうの里〈伊豆高原〉(静岡県) 介護付有料老人ホーム

「自分らしく生きる」。親世代の理想のライフスタイルを追求する理念実践型ホーム

更新 2020-10-23 2017-07-22
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食堂に隣接するバルコニーからは、天城連山の雄大な姿が望める

   1976年、浜松に開設以来、全国7カ所で自立型の介護付有料老人ホーム「ゆうゆうの里」を展開する日本老人福祉財団。全体の入居者は2016年5月末で2498名、入居率は平均95%と聞き、その人気の理由を探しに「ゆうゆうの里・伊豆高原」に行ってきました。
  

敷地内には樹齢100年を超えるような樹木も。「ほかの入居者の方と植物の話がきっかけで会話がはずむことも多いんですよ」と菅野さんご夫婦

私たち「オヤノコト」世代は「老人ホーム」と聞くと「親が要介護になったら仕方が無く入居させるところ」と思っている方も多いようです。ところが、実は「介護付有料老人ホーム」には元気なうちから入居し、趣味やサークルを楽しみながら、自分らしく生活できるホームがあることをご存知ですか?

まず、老人ホームについての著作もある菅野さんご夫婦にインタビュー。
ご主人の国春さん(81)に訊くと、70歳を過ぎて『死にざまをどうするか?』を考えるようになったと言います。自宅に居ると「なりゆきで歳をとればいい」と思ってしまうが、ホームに入れば見守られている安心感もあるし、老人同士のコミュニティなのでコンプレックスも感じなくて良い、さらに娘さんに親の面倒で苦労をかけることもない、「安心して最期まで住み続けられるところを見つけた」と、ホーム入居のメリットを教えてくれました。
もともと「老人ホームは自分らしい生き方が出来る場所」「自宅で暮らし続けると判らないことが見えてくる」と語る菅野さんが語ってくれたキーワードは「生活を楽しむ」ということだと言います。
奥様の寿代さん(78)も腰に持病があるものの、入居前からの趣味のヨガを無理なく続け、ここでの生活を満喫されているようでした。
 

奥様のスポーツウェアは友人が「明るい色も似合うわよ」と、ジム用に贈ってくださったもの。ジムでたっぷり汗をかいたあとの大浴場での温泉が楽しみ

次にお話しを聞いたのは河内さんご夫婦。運動嫌いだったという奥様の照子さん(75)は入居してから専属トレーナーと楽しくトレーニングを続けており、お花を育てることの楽しさも発見したそう。ホームに入る前はお花が好きではなかったという河内さんですが、お庭は自由にしていいですよと言われて、今ではお花を育てることが楽しみになったそう。
「ここは自分の隠れた才能や趣味を見つけられるところ」と笑顔で語ってくれました。
ご主人の弘さん(78)もスタッフの働きがけで入居してすぐにゴルフ仲間ができたとびっくり。
「入居前は『老人ホームに入るの?』と言っていた友人が、今では『あなたたちの選択が正解ね』と言ってくれるそうです。

「主人を亡くしたときは、鶴田さんに支えてもらいました」(左・大須賀さん)。「二人とものんびりした性格だから、相性も合うんでしょうね(」右・鶴田さん )

「ここで信頼できる友人ができた」と語るのは、大須賀瑞代さん(77)と鶴田節子さん(73)。
ホームが企画したバス旅行がきっかけで、今は里内の散策や夕食を共にし、毎月二人でご旅行もされているのだとか。大須賀さんのご主人は、生前に「伊豆高原は、観光客や別荘に暮らしている人たちで、常に人が活発に動いている土地。あなたに合っていると思う」とおっしゃって、この場所に決められたそうです。実は、大須賀さんも、鶴田さんも共にご主人のお仕事が同業だったそうで、「価値観を共有する人と友達になれて、楽しく暮らしています」(鶴田さん)と言います。
鶴田さんによれば、30代の頃から義理のお父様が「ゆうゆうの里浜松に入りたい」と言っておられたこともあり、もともと「ゆうゆうの里」をご存知だったそうです。



 

ご主人が丹精を込めていたバラのうち、一番好きだった黄色いバラ「ヘンリー・フォンダ」を1鉢持ち込みました。それが今は5鉢に

入居するときは「なんでそんな遠いところに」と言っていた友人からは「あなたが私たちの中で一番幸せね」と言われるそうです。

入居に際しては「いろいろな条件を体験して欲しい」とスタッフの方に言われて、何度も何度も体験入居して決めたそうです。伊豆高原と言うと明るいリゾート地のイメージがありますが、住むとなれば、台風の日もあれば、夏の暑い日、冬の雪の降る日もある、2万3千坪もある広大な施設で親世
代が暮らすには1日や2日の体験入居ではなく、色々な条件を体験してから決めるべきというのはよく理解できますが、スタッフの方がそこをしっかりとフォローされていることに好感をもてました。

国立公園内ならではの自然を満喫国立公園内ならではの自然を満喫できる里内

毎日の植物の成長や変化が散歩の楽しみ

施設長の杉山行由さん

施設長の杉山行由さんは、「60歳を超えて仲間ができると楽しいもの。第二の人生、新しいことにも挑戦してほしいですね」と言います。その環境を整えるため、入居して3カ月ほどは担当者が付き応援プログラムを組んでいます。入居者の情報は生活サービス課のコミュニティ職員とも共有し、その方に合ったサークルを勧めたり、入浴の時間や食事の席などインフォーマルな部分もアドバイスしたりして、生活が軌道に乗るまできめ細やかに支えています。
 

「ゆうゆうの里」のサイトには、入居者参加型のブログサービスを提供。生き生きとした毎日がアップされています

また、運動系から文化系まで幅広いイベントやサークル活動があり、親世代の好奇心を刺激する工夫が満載。80代でダイビングに初挑戦した女性の話を聞いて、驚くと同時に納得もしました。ご本人の自己実現への意欲と職員の働きかけが相乗効果を生んで、さらに元気になって健康寿命を延ばしているのでしょう。

心細いときの対応は、まるで家族のよう

充実した毎日を支えるのは、病気や怪我をした際の「ゆうゆうの里」職員の迅速・的確な対応と同財団が敷地内で別運営をしている診療所の存在。
菅野さんは、入居間もなく脳出血になりましたが、食事中の異変に気づいた職員が声をかけてくれ、すぐに病院に同行してくれたことで、ほとんど後遺症も残らず回復。「自宅だったら、こうは行かなかったでしょう」と。

一方、大須賀さんは交通事故直後に病院に介護職員が駆けつけてくれたこと、敷地内にある診療所に入院した際の医師や看護師の対応から「ここなら将来も安心だ」と実感したそう。
河内さんは旅先で下血し、16時過ぎに戻ってみたら「先生が待っていてくれて驚いた」と言います。ここでご主人を看取った鶴田さんも、「先生から心のケアもしていただきました」と心から感謝していました。

「ゆうゆうの里」では将来介護が必要になっても、ケアセンターの支援で機能訓練や介護サービスを受けながら、自分らしく暮らしていけそうです。日本橋生まれで銀座が大好きだった鶴田さんは、「最近は都内に行っても早く帰りたくなります。小田原から海が見えるとホッとしますね」と打ち明けてくれました。大自然の中ストレスなく生き生きと暮らせるのなら、親とは近居が安心という固定観念は捨ててもいいのではないかと気づかされました。

全員のお名前とお顔を覚えるのはもちろん、些細な表情も見逃さない

生活サービス課 コンシェルジュ 佐々木亜由さん

ご入居者の変化をいち早く感知し、介護チームなどの各部署に連絡、サービスにつなげるようにしています。また、「旅行を計画しているので、交通手段や宿・美味しいお店を調べてほしい」「終活について相談に乗ってほしい」といったご相談などもお受けしています。「あなたじゃなきゃダメ。いつもありがとう」という言葉が一番の励みです。イベントやサークルの企画運営もしており、すぐに定員いっぱいになるほど人気のイベントもあるんですよ。

出汁をしっかり取ることがおいしさのもとです

食事サービス課 課長 徳元利幸さん

毎日3食飽きないで召し上がっていただくためのポイントは、しっかりと出汁を取ること。お客様の顔を見てから、揚げたてや茹でたてをお出しできるように心がけています。お客様の顔を見てから、揚げたてや茹でたてをお出しできるように心がけています。人気はお刺身。生シラスは伊豆ならではの自慢の味です。

「オヤノコト」編集長より

皆さんの若さと環境の良さは間違いなくつながっていそう。ただ、虫が嫌いな親世代にはちょっと辛いかも・・・。これも国立公園の中にあるという自然に溢れているからこそですが。
 

画像は、ゆうゆうの里〈伊豆高原〉

【施設の類型および表示事項】
■類型/介護付有料老人ホーム(一般型特定施設入居者生活介護)■居住の権利形態/利用権方式■利用料の支払い方式/一時金方式■入居時の要件/入居時自立・要支援・要介護(伊豆高原・湯河原・大阪は入居時自立のみ)■介護保険/すべて都道府県指定介護保険特定施設(一般型特定施設)・介護予防特定施設■介護居室区分/全室個室■一般型特定施設である有料老人ホームの介護にかかわる職員体制/ 2:1以上■事業・運営主体/一般財団法人 日本老人福祉財団
*「ゆうゆうの里」は、佐倉、湯河原、伊豆高原、浜松、京都、大阪、神戸と全国7カ所にあります。
(入居時の要件は異なります)

 

  

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