意外と知らない「鍵」のこと vol.1
どの鍵が一番「高い防犯性」を有しているのでしょうか? ご自宅の鍵を眺めてお考え下さい。
正解はAです。
Aから順にB→Cとなります。
Cは昭和50年代に登場した鍵で、鍵違い数は3,500万通りと言われています。
当時は防犯性の高い鍵として爆発的に普及しました。しかし、ピッキング工具を利用すると、慣れているドロボウなら1分以内に不正解錠することが出来てしまう、防犯性としては非常に低いタイプの鍵です。Bについては、現在普及しているものは防犯性が高いのですが、登場して間もないころのタイプではシリンダー側のカラーと呼ばれる場所を潰されて不正解錠されたり、ピックガンと呼ばれる工具や振動工具を利用すると簡単に不正解錠することが出来てしまうタイプが現在も出回ってしまっています。現在ではAのディンプル(穴)タイプの鍵が多く採用されており、不正解錠には非常に強い構造のシリンダーの鍵です。
一般にドロボウは5分以内に侵入出来ないと7割が犯行を諦めると言われています。
この点では、現在世に出回っている不正解錠の手段にはAのタイプの鍵でしっかりと「施錠」されていれば、ひとまずは安全です。その他の鍵であれば、ドアのかんぬき(デッドボルト)が出る場所はバールなどのこじ開けを受けないようにドアガードが設置されていることが望ましいですし、かんぬきは棒状のものよりも鎌状のものが優れています(Aのタイプの鍵は登場した時代柄、扉や錠前も対策されているケースが多いです)。
また、勝手口はこじ開けに弱いアルミ製の扉が多く採用されておりますので、扉の錠前を1つから2つへ増やす(一つ目の鍵とは距離をとって下さい)などの追加対策が必要です。ただし、玄関が安全だからといっても、他に侵入できる場所が存在していると、ドロボウはその場所を選び侵入しようとします。「機会無ければ犯行無し」という言葉は是非覚えてください。
自宅はもちろん、離れて暮らす親御さんのお宅の鍵の状況を念のため確認しておきましょう。
●コンテンツ提供
セントラル警備保障株式会社(オヤノコト.パートナー)
お話を聞いた人
セントラル警備保障株式会社
CSP商品開発室 大用剛さん
商品やサービスの企画・開発、また建物の防犯診断、企業やマンション管理組合様向けに防犯セミナーを行なっています。
60歳以上の方々とお話しすると、「うちには取られるようなものは無いから」と良くお聞きします。本当に取られるものはありませんか?現金や貴金属だけが持っていかれるわけではありません。タバコ、米、ビール、時計、パソコン、孫のために買ったゲームソフト、高価な衣料品(コートなど)、着物、電話機、運転免許証・・・数え上げたらきりがないくらい取られる危険のあるものばかりです。ドロボウは狙いたいターゲットを真っ先に狙うのではなく、入りやすく逃げやすい場所を優先に狙います。特に高齢者の方々は安全サイドに物事を考える傾向がありますので、本コラムを通じて啓蒙を行いたいと思っています。
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