最近、親孝行してますか?親にやさしい旅行プランで、たまにはいっしょに出かけてみては?
「オヤノコト」会員の皆さん、特に50代前後の方にとっては、「介護離職」は他人事ではないテーマだと思うが、「まだまだ80歳過ぎても親は元気、介護離職という心配はないな」という人もいるだろう。
だが、「親孝行しているか?」と問われると、「仕事も忙しいし、年に1回、2回帰省して当たり障りのない話をするくらいで、これと言って親孝行していないな」という人が大半で、誕生日などにプレゼントを贈るという程度ではないだろうか?
私の知人でも、「母親ひとりで暮らしているが、どこか旅行に連れて行きたいが、なかなかそれも叶わず、そのうち間に合わなくなるのではと心配だ」という人がいた。
まさに、「親孝行したい時に親はなし」ということを危惧しているのだろう。
一般的に親孝行というと、帰省して孫の顔を見せるとか、食事に連れて行ったり、プレゼントを贈るほか、旅行に連れて行くというイメージだと思うが、やはり、この「旅行」というのは精神的にも好影響で、環境が変わることで普段できないような話もできるし、親孝行としては定番である。
例えば、儒教の影響が色濃いお隣の韓国では「孝道旅行」と言って、子供が親にプレゼントする旅行が一般的であると聞いたことがあるが、それだけ旅行というのは親孝行の定番なのであろう。
今や旅行会社も「ユニバーサル旅行」「バリアフリー旅行」とシニア向けの旅行に力を入れているが、親も高齢になれば、杖を使う、歩くのが遅い、食事の速度が遅い、細かく切らないと食べられないなど、様々な配慮が必要になり、一般のツアーだと本人も遠慮して参加しにくいという点もあるだろうから、このようなシニアが参加しやすい旅行会社の取組みは歓迎すべきだ。
だが、親に旅行をプレゼントするだけではなく、親を旅行に誘って一緒に旅をすることが親子水入らずの時間を作り、よい親孝行になるのではないだろうか。「介護離職」をしないにこしたことはないが、親が元気なうちに親孝行できるのであれば、ぜひともしておきたい。
=本記事は、夕刊フジに連載しているものです。
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- このコラムを書いた人:「オヤノコト.マガジン」編集長 大澤 尚宏(Osawa Takahiro)
- 著書『そろそろはじめる親のこと』(自由国民社)