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高齢者の『安否確認』について考える

2019-07-03
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画像はイメージです

最近、高齢者施設での痛ましい事件や事故の報道が頻繁にあり、気をもんでいる読者も多いのではないだろうか?

先日も、関西の有料老人ホームで90代の男性入居者が自室で死亡したが、職員が発見したのが約2週間後だったというニュースがあった。  
実は、これと同様の“事故”は約7年前にも関東の有料老人ホームでも起きている。今回の事故はその教訓が生かされていないとしてメディアが糾弾しているが、この2件に共通することがある。まず、「介護を要しない自立者向けの自立居室」で起きていること、さらに亡くなった2人の高齢者はともにホームが提供する自立者に向けたサービスの利用をすべて断っていたということである。  

せっかくホームに入居しながらサービスの一切を断るというのは、いくら自立で元気とはいえ、ホームの入居目的が何だったのか首を傾げてしまう。だが、高齢世代を預かるホーム運営において必須である安否確認まで実施していなかったのは、そのホームの落ち度であることは確かだ。  
いずれにしても今回の事故は、「有料老人ホーム」で本来は必ず行われている安否確認というサービスの重要性を改めて顕在化させるきっかけになったのではないだろうか。  

そこで、あらためて当連載でもたびたび紹介している「サービス付き高齢者向け住宅(サ高住)」のサービスについておさらいしておきたい。  
「サービス付き」が指すサービスとは「安否確認」と「生活相談」である。つまり、安否確認こそがサ高住の必須(義務)のサービスなのである。  
サ高住は基本的に賃貸アパートやマンションの位置付けにある。一般的な賃貸アパートやマンションには安否確認や生活相談は付いていないが、高齢の、主に単身者に向けた賃貸アパートやマンションだからこそ、重要な安否確認を付けているのだ。  
さらに生活相談サービスも付けていることから、サ高住の最大のミッションは「賃貸住宅でありながら高齢者の社会的な孤独・孤立を防ぐこと」といえる。  
人生100年時代、高齢になってからの「孤独・孤立」は寂しい結果につながりかねない。少なくとも、安否確認を誰に・何に託すのかは考えておいた方がいい。



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=本記事は、夕刊フジに連載しているものです。

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このコラムを書いた人:「オヤノコト.マガジン」編集長 大澤 尚宏(Osawa Takahiro)
著書『そろそろはじめる親のこと』(自由国民社)

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