肩身の狭い職場を辞めて独立する手も
先日、某雑誌で50代男性3000人を対象に「50代男性が何に不安かを抱えているか?」についての意識調査の結果が出ていた。
今や、50代社員にはリストラの嵐が吹き荒れ、早期退職者募集が6万人を超えると言われている。銀行、保険、メーカー、百貨店など、業種を問わず早期退職希望者を大量に募集しているが、この流れが止まることはないだろう。
つまり、「人生100年にいかに備えるか?」を考えたとき、40~50代はこれから先の身の振り方を真剣に考える方が先である。
私の周囲でも、「人生100年? とてもそこまで考えてないよ」という人が多い。
どうもこの国は、政府や大企業が発表したりキャンペーン的に音頭を取る事柄と現実との間に、ギャップがままあるように感じてならない。
それは今に始まったことではなく、昭和の高度成長期からだろう。ただ、これまでは豊かだったので、それでも何とかやってこれた。
しかし、これからはそうはいかない。現実的に少子高齢化と人口減少で、財政は厳しくなり、市場もシュリンクする。それを抜本的に打開する策など、いまだ、誰も打ち出せてはいないのだ。
ではどうすればいいのか? まさに、「人生100年、これからどうする?」である。
ちなみに、前述した某雑誌の調査で、50代男性が抱えている不安の上位の回答は、1位「老後の資金」、2位「気力体力の低下や病気(健康)」、3位「両親や親族の介護」である。
私は10年も前から「備え」の大切さを提唱し、訴えてきた。
ともかく、人生100年時代に向けてどうするか? まず、「具体的な備え」をスタートすることだ。それは、介護やマネープランだけではないと筆者は思う。
自身の才覚を今の職場で生かし切れていないと感じたら、思い切って独立する手もあるだろう。もっとも、それには相応のリスクもあるが、退職勧奨を受けながら肩身の狭い思いをしながら生きるより、チャレンジしてみるのも手ではないだろうか。
なお、老後の資金や介護などの相談であれば、「オヤノコト」相談室で相談サービスも展開しているので気軽に利用してほしい。
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=本記事は、夕刊フジに連載しているものです。
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- このコラムを書いた人:「オヤノコト.マガジン」編集長 大澤 尚宏(Osawa Takahiro)
- 著書『そろそろはじめる親のこと』(自由国民社)