いつまでも元気で歩くための靴選び
2017年10⽉7⽇、オヤノコトステーションにおいて、アサヒシューズ・シューフィッターの守⼭德治さ んを講師に「これからも元気に歩き続けるための⾜と靴の健康を考える相談会」が⾏われました。
セミナー後に参加者全員が⾜型測定器で⾜の詳細なサイズを計測し、それをもとに個々の⾜の特徴や靴 の選び⽅についてアドバイスを受けました。守⼭さんによる靴選びの極意をご紹介します。
「これからも元気に歩き続けるための⾜と靴の健康を考える相談会」の当⽇の様⼦はコチラ
健康のためのウォーキングが 逆効果になることも
外反⺟趾、左右で⾜の⻑さが違う、腰痛……参加者の皆さんは⾜にまつわるさまざまな悩みを抱えてい ました。平均寿命は年々伸びていますが、いくら⻑⽣きしても⾃分の⾜で歩けないと好きなこともできません。
問題は平均寿命よりも健康寿命。特に⼥性は男性と⽐べて筋⾁がつきにくいため、関節疾患や転倒、⾻折によって介護が必要になる割合が⾼いというデータがあります。また80代後半まで⾃⽴度を維持する⼈が、男性に⽐べて⼥性は⾮常に少ないのも、筋⾁量の少なさが⼤きな要因です。
守⼭さんが⽰すデータに、⼥性がほとんどを占める参加者の皆さんは⼤きくうなずいていました。
ウォーキングは⼿軽なスポーツとして⼈気です。ところが、⽇ごろ運動不⾜だったり体重が重かったりして筋⾁量が⾜りない状態で急にはじめると、膝や腰に負担がかかり、逆効果になることもあると守⼭さんは注意を喚起します。ウォーキング教室に通ったことがあるという参加者もいましたが、「歩くのは無意識の動作。無意識のうちにきれいに歩くのはむずかしいのです」と守⼭さん。「⾝体を⽀え、⼈間の⼟台となる⾜。その⾜を包む靴の重要性を知ってください」と呼びかけます。
靴幅は締まっていた⽅がいい 靴紐は⾜⾸ではなく甲を締めて
快適なウォーキングのためには、⾃分に合った靴を選ぶことが ⼤切。⾃分に合った靴を探すポイントは、⾃分の正確なサイズを知ることが第⼀歩です。
外反⺟趾などで痛むからと、ゆるい靴を選ぶ⼈は多いのではないでしょうか。
編集部員もその⼀⼈。これも間違いだと守⼭さんは指摘します。
「靴の縦⽅向は余裕がないといけませんが、横⽅向は締まっていた⽅が、⾜の形を維持しやすいのです」。⾜先は、つま先に1.5センチくらい余裕を持つ。中敷きが外せれば、⾜を乗せてみて余裕があるかを確認しましょう。
⾜幅は、中敷きから⾜が少しはみ出るくらいがちょうどいいサイズだそうです。だから靴紐も、⾜⾸部分を締めるのではなく、⾜の甲あたりがしっかりフィットするように締めることが⼤切だそうです。「⾜が靴の中で動かないようにすると、⾝体も安定します。靴は、地球と⾝体の間のツール。⼤切に考えましょう︕」
親の靴選びのポイントとは︖
1.つまずきにくい︓
1センチから2センチ、つま先が上がっていること
2.すべりにくい︓
靴底に溝があって、地⾯をちゃんとグリップしてくれること靴底がゴム製であること。 スポンジやプラスチックは×。
3.かがまなくてもしっかり履ける︓
⾯ファスナーがある 紐靴の場合サイドファスナーがある
⼦どもが親の靴選びの際にサポートすることは︖
1.靴を購⼊する前に、⽇常⽣活で履くのか、お出かけ⽤にしたいのか、靴を履く場⾯を想定しま しょう。場⾯によって靴下の厚さが変わってくるので、⽤途に合わせた靴下を持参してお店に⾏き ましょう。
2.靴を履きやすい環境を整えましょう。どんなにいい靴を選んでも、履くのが⾯倒な環境だと履 かなくなったり、かかとを踏んで履いたりすることになります。
・⽞関に⻑い靴ベラを⽤意する
・⽞関に⼩さなイスを⽤意する
靴を買い替えるタイミングは︖
靴の外側がすり減るのは正常です。ただ、減りすぎると滑ったり転んだりする原因にもなるので、 買い替えをするか修理をしましょう。
買い替えの⽬安はこんなとき
・靴を置くと傾いてグラグラする
・靴底の溝がなくなっている
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- ライター:坂口鈴香(Suzuka Sakaguchi)
- 20年ほど前に親を呼び寄せ、母を看取った経験から、人生の終末期や家族の思いなどについて考えるように。施設やそこで暮らす親世代、認知症、高齢の親と子どもの関係、終末期に関するブックレビューなどを執筆 してきました。これまでに訪問した親世代の施設は100カ所以上、お話を聞いた方は数えきれません。今は「オヤノコト」が自分のコトになりつつあり、自分の変化も観察しているところ。