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Vol.2 住み替えたあとのフォローも大切に

2017-12-06
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「住み替えたのでこれで安心」と気を抜かないで! 必ず一度は疲れの出る時期がある

住み替え後、「どんな方でも必ず一度は疲れが出ます」と北村さんは注意を喚起します。「住み替えた当初は新しい環境になじもうとがんばるのですが、しばらくすると体調を壊されたり、精神的に落ち込まれたりします。その時期に個人差はあっても必ずそんな時期が来ます」。  
子どもとしては、新しい環境での生活が軌道に乗ったように見えると安心してしまい、頻繁に顔を出さなくてもいいかなと思ってしまうものですが、親の疲れが出た時期に大切なのは、家族やスタッフのサポートだと北村さん。

「親は誰かに話を聞いてほしいと思っています。それには、子どもが顔を見せることが一番。ただ決して無理せず、子どものペースでいいのです。無理すると、気持ちよく会話もできませんから」。
親子だとつい本音が出てケンカになることもあります。また子どもにも、親を呼び寄せたのに同居しないことへのうしろめたさもあるかもしれません。そんなときに心強い味方になってくれるのがスタッフです。
「呼び寄せ同居は第三者のクッションがなく、親子が直で感情のやり取りをすることになるので煮詰まりやすいですが、サ高住なら親子で感情の行き違いがあってもスタッフが間に入るので、子どもは“いいとこ取り”ができます。
これが呼び寄せを成功させる要因です」。そしてこうして「たくさんの人が親を支えている」という安心感を持ってもらうことが、疲れの出た時期の親にとっては一番の薬なのだそうです。
「体力さえあれば自分の足で出かけてみようかと思うようになるでしょう。体力のあるうちに住み替えていればこそできることです」。

退院後の住み替えとしても利用できる

最近のサ高住では、病院から退院してすぐに自宅に戻るのが不安な親世代のための一時的な入居に対応しているケースもあります。
「ハイムガーデン立川幸町」も同様で、手すりなどリハビリ環境を整えた居室を用意しています。環境の整ったサ高住で食事は提供してもらい、デイサービスで入浴するなど、生活面での負担を減らしてリハビリに集中し、自宅に戻るまでのつなぎとしてサ高住を利用するという方法もあるのですね。原則、最長でも1カ月の契約となるそうですが、「その間に自宅に戻って生活できそうかを見極めてほしい」とのこと。その点サ高住は賃貸契約なので、気軽に試せるのはありがたいですね。  

呼び寄せの場合も同様。「入ってみないと本当に親に合っているかはわかりません」。特に子どもが中心となって住まいを選んでいる場合は、親の気持ちとギャップが出やすいそうです。だからこそ、「終の棲家」と気負わずに住み替えできるのはサ高住の大きなメリットです。  
北村さんは「住み替えを考える際は、施設について知りたいことは何度でも聞くこと、住み替え後も訪問するたびに親の様子を聞くことが大切です」とアドバイスしてくれました。子世代も、親についての情報は子どもにしかわからないことも多いので、詳細に伝えておきましょう。「来てよかった」「呼んでよかった」と思える新しい生活がスタートできるように。

親に合ったサ高住の選び方

サ高住には、「安否確認サービス」「生活相談サービス」だけが義務づけられており、そのほかのサービス内容は施設によってさまざま。「こんなはずではなかった」と後悔する前に、事前にどんな点をチェックしたらいいのか、まとめてみました。 サ高住の特徴を見分けるポイントは大きく2つ、「入居者の自立度」と「提供するサービス」です。

 自立度
目安となるのは居室の広さと設備です。18平方メートル程度の居室なら、収納スペース、トイレ、洗面台はついていますが、台所とお風呂は共用になるので、自立度の高い親世代向きではありません。
ただし自立度が高くても、自分で料理やお風呂の掃除はしたくないという親世代には問題ないかもしれませんね。 一方25平方メートル程度の居室になると、ミニキッチンとお風呂もついているので、自立度の高い親世代向けです。

提供されるサービス
訪問介護事業所やデイサービス施設が併設されているかどうかをチェックしましょう。
これらが併設されていると、家族は「介護サービスが受けやすくて良い施設だろう」と判断しがちですが、他のサービスを選択しづらいということもあるようです。併設と選択、自分たちにどちらが合うか確認しましょう。
また「うちは介護サービスまでついているので、何でもできますよ」と入居を強くすすめるようなサ高住は要注意。逆に入居を決めるまで時間がかかってもじっくり話を聞いてくれるほうが安心です。

お話を聞いた人
ハイムガーデン立川幸町 
ホーム長 北村恵美さん

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ライター:坂口鈴香(Suzuka Sakaguchi)
20年ほど前に親を呼び寄せ、母を看取った経験から、人生の終末期や家族の思いなどについて考えるように。施設やそこで暮らす親世代、認知症、高齢の親と子どもの関係、終末期に関するブックレビューなどを執筆 してきました。これまでに訪問した親世代の施設は100カ所以上、お話を聞いた方は数えきれません。今は「オヤノコト」が自分のコトになりつつあり、自分の変化も観察しているところ。

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