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親世代も 子世代も知っておきたい「老後のお金、医療・介護のこと」 vol.2

2017-09-05
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軽減制度で限度額の払い戻しを申請しよう

加齢に伴い、通院のための医療費、介護費は増えていきます。そんなときには、限度額を超えた分の払い戻しを受けることができます。詳細は、区市町村の窓口へ。

●高額療養費制度
その月の医療費の世帯合計が高額になった場合に、一定の自己負担額を超えた部分が払い戻される。加入している公的医療保険(国民健康保険の場合は区市町村)に申請

●高額介護サービス費制度
その月の介護保険を利用して支払った費用の世帯合計が高額になった場合に一定の自己負担額を超えた部分が払い戻される

●高額医療・高額介護合算療養費制度
1年間の医療費と介護保険の自己負担を世帯で合算して、基準額を超えた部分が払い戻される

●施設サービス等利用時の居住費と食費の負担減額制度
介護保険施設入所やショートステイ利用者で、一定の要件を満たす利用者の居住費と食費が減額される

自治体サービスを賢く使おう

●配食サービス
日常の食事の調理が困難な人に食事を配達する

●生活支援
介護保険の対象に該当しない高齢者を対象に、ヘルパーや登録ボランティアを派遣し、買い物やその他の家事など軽度の生活援助を行う

●外出支援
自力で外出することが困難な高齢者を対象に、車いすリフト付きの自動車や巡回バスなどで送迎サービスを提供する

●介護用品の支給
高齢者を在宅で介護する場合に、紙オムツや尿取りパッドなどの介護用品の支給や購入費の一部助成を行う

●住宅改修
住宅改修の相談や、所得に応じた工事費の助成を行う

●緊急通報
急病や災害時に24時間受信センターと連絡が取れる緊急通報装置を設置・貸与する
※ これらのサービスの種類や利用するための条件は自治体によって異なります。親の住んでいる自治体に確認してください。

親世代のマネープランは資産の見直しから

親のマネープランを考えるときに大前提となるのが、元気なうちに年金額や預貯金、保険、不動産など今ある資産がどれくらいあるのか、把握することです。資産を明確にすることで、老後のプランニングもしやすく、施設選びにも役立ちます。お金のことを考えると、暮らし方も見えて来るはずです。親がどのように暮らしていきたいかも聞いておいてください。また、相続やお金の話をする際に、忘れてはいけないのがお墓の話です。維持費や供養費など、お金もかかりますので事前に相談をしておきましょう。今後、年金の受給額は目減り(減額)していくことが予想されます。親世代からでも出来る資産運用はありますので、信頼できるファイナンシャルプランナー(FP)にご相談を。また、80歳以上の方、持病のある方でも入れる保険はありますので保険の見直しもお勧めします。そして子世代は親がなるべくお金を使わないですむよう、親の住む自治体や地域包括支援センターなどで情報収集をして、自治体のサービスや国の軽減制度などをうまく利用してほしいと思います。

実際に必要な老後資金について試算してみましょう

※ 定年になる65歳から100歳まで生きるとして試算します

例)
年金収入20万円の両親(65歳)が月27万円で生活している場合

※ 父親の年金: 月13 万円、母親の年金: 月7万円。世帯合計: 月20万円

●必要な金額
27万円 × 12カ月 × 35年 = 113,400,000円

●不足する金額
27万円 - 20万円 = 7万円(月々不足する金額)
7万円 × 12カ月 × 35年= 29,400,000円(不足する金額)

子世代のマネープランは早いうちに

子世代になると、親世代のような年金額も退職金も期待できません。日本経済の停滞に伴い、物価や税金が上がることも予想されるので、親世代よりもいっそうの自助努力が必要です。資産があっても安心せず、今から老後のマネープランを考えておきましょう。人生3大資金は、教育資金、住宅資金、老後資金です。「老後破産」の要因は教育資金や住宅資金が収入をオーバーしてしまい、貯蓄がなくなってしまうことによります。老後破産を防ぐには、定年までの収入と支出のバランスが重要です! FPのアドバイスをもらうのも有効な方法です。お金を貯めるタイミングは早いほどいい。時間を味方につけて、今から少しでも貯めるクセをつけておきましょう。
親へのサポートを全部自分でやろうとするのは共倒れのもと。介護離職にもつながりかねません。勤務先や自治体に利用できる制度はないか探してみましょう。1人で悩まずに様々なプロの方に協力してもらうことで親のサポートができ、また、自分の時間や生活(お金)も守ることができます。

子世代も計算してみましょう!

※ 定年になる65歳から100歳まで生きるとして試算します

生活費は、現在かかっている生活費で試算します。
もらえる年金額は、毎年誕生月に届く「ねんきん定期便」で確認してください。

●月々不足する金額
生活費(月)- 年金月額 = 月々不足する金額

●これから貯めないといけない金額
「月々不足する金額×12カ月×35年」-「退職金、預貯金、積み立て保険など」= これから貯めないといけない金額

お話してくださったのは
「オヤノコト」パートナー相談員 藤井亜也 さん
独立系ファイナンシャルプランナー(AFP)として、マネープラン・ライフプランなどについて中立的な立場からのアドバイスを行う(株式会社COCO PLAN 代表取締役社長) 。

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ライター:坂口鈴香(Suzuka Sakaguchi)
20年ほど前に親を呼び寄せ、母を看取った経験から、人生の終末期や家族の思いなどについて考えるように。施設やそこで暮らす親世代、認知症、高齢の親と子どもの関係、終末期に関するブックレビューなどを執筆 してきました。これまでに訪問した親世代の施設は100カ所以上、お話を聞いた方は数えきれません。今は「オヤノコト」が自分のコトになりつつあり、自分の変化も観察しているところ。

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