離れて暮らす親、日中独居の親をどう見守るか? ルー大柴×「オヤノコト」編集長大澤尚宏 Vol2
ルー大柴×「オヤノコト」編集長大澤尚宏 Vol2 (撮影:2020年12月)
こんにちは「オヤノコト」チャンネルです。 「オヤノコト」は、高齢の親とその子ども世代(「オヤノコト」世代)に向けて、 毎日の生活が快適になる情報やサービスをご紹介したり、老人ホーム探しや相続などのご相談をお受けしています。
2回目のテーマは、『今、「オヤノコト」、これからの暮らしをどう考える?』です。
コロナ禍の今、離れて暮らす親に会うために帰省することもままならない状況です。そんな「オヤノコト」世代のために、今さまざまな企業から出ている「見守りサービス」について、 その種類や選び方のほか、主要企業のサービスについて解説します!
今回は、「オヤノコト」チャンネルでご紹介した動画の第2弾「離れて暮らす親、日中独居の親をどう見守るか?」を記事化しました。
●高齢の親の独居はリスクが多い!
年間3,000名超の高齢者が孤独死!!(都内23区内)
●高齢の親のための「見守りサービス」はいろいろある!
センサー、かけつけ、カメラ・・・いろいろあるのに、意外に知られていない!?
●高齢の親のための「見守りサービス」を導入するメリットと注意点1
お互いに負担を感じない見守りサービスの導入するには?
●高齢の親のための「見守りサービス」を導入するメリットと注意点2
親の「日常」を変えずに使えるサービスを選ぼう!
●高齢の親のための「見守りサービス」を導入するメリットと注意点3
サービス内容は千差万別。後悔しない選択を!
●「オヤノコト」でご紹介している、高齢の親のための「見守りサービス」
一人暮らしの親のことが心配な子ども世代は圧倒的に多い。 23区内だけでも年間3000人が孤独死・・・
大澤 はじまりました! 「オヤノコト」チャンネルです。ルー大柴さん、2回目です。
ルー大柴 前回はいろんな意味で勉強になりましたよ。今のジャパンの高齢化の実態をアンダースタンドしましたよね。
大澤 今回のテーマは、見守りサービスです。ルー大柴さんのご両親はお近くにお住まいだったんですか。
ルー大柴 そうですね。女房の両親は近くのマンションを借りてて、そこに住んでたんですが、だんだんどちらかが病院通いしたりして、そろそろ施設に入れないといけないなと思って、お義母さんが先に入った。お義父さんは一人で住んでたんです。気丈な人だったんですね。時々見に行ってたんですが、だんだん認知症というか、ボケるというか。でも「自分はボケてない」と言うんですよ。だけど、たとえば薬を飲むのを忘れるとか、何錠飲んだか忘れるとか。
僕らが若いときは料理をよくつくってくれて、おいしいんですよ。手先が器用な人だったんで、助かってたんです。孫もよく見てくれてね。でも90歳近くなって老人ホームに入って、1年くらい、精いっぱい生きました。たまたまよかったんだけど、親が遠いところにいたら、なかなか子どもは見ることができないですよね。電話といっても、今のように携帯なんて使えないじゃないですか。
大澤 スマホもないですしね。
ルー大柴 今のお年寄りでもあんまりうまくない人はいますしね。だから難しいですよね。
大澤 一人暮らしのお父さん、お母さんを残して、東京で働いていてという人が圧倒的に多いんですよ。心配だけど、まだ老人ホームに入るまでではないし、でも一人暮らしのお母さんは心配だよなという・・・。
ルー大柴 それは心配でしょう。
大澤 これは23区内だけで見てるんですけど、高齢の親の独居ってリスク多いんです。たとえば孤独死、亡くなっているのを発見されてというのが多いんですが、東京23区内だけで年間3000人を超えている。年々増えています。
ルー大柴 結婚しないで一人で住んでる人もいますからね。
大澤 いますね。
ルー大柴 そういうお年寄りも孤独死になってしまいますね。
大澤 高齢の方で、自分がそうなるのが心配だから、老人ホームを探すという人もいます。独居でこういうケースは増えています。それから、高齢のご両親だけでお住まいの場合のリスクというのが、押し売りや、最近は押し買いというのがあります。突然訪ねてきて、「貴金属ありませんか、買いますよ」と。あまりにも安い値段をつけられて、売らないと言っても強引に買われてしまう。「やっぱり返して」と言っても、「あれはもう売ってしまいました」「なくしました」と。
ルー大柴 それはひどすぎますよね。詐欺ですよ。
大澤 多いんです。
ルー大柴 うちの女房の親がいたとき、勝手にドアを開けないでと。インターホンでやり取りをするけど、新聞の勧誘とかいろいろあるけど、悪質なのはいっぱいあるから、私たちやデイサービス以外の人にはドアを開けないでと。お年寄りってわけわからなくて、ドアを開けてしまうんですよね。話してくれるから、乗って話したりする。
大澤 それで買ったり契約したりしてしまうというのが多いんです。そこで、高齢者の見守りってたくさんあるんです。ただ詐欺みたいなものを防げるかというとなかなか難しいんですが、一人でお住まいの場合は子どもも心配なので、元気にしているかなというのを見守るようなサービスというのはいろいろあって、カメラで見守るとか、スイッチ、センサー、アプリやスマホといろいろあるんです。でもなかなか広がらないんですよね。思ったように普及しないサービスでもあるんです。でもこれって必要な人に必要な情報が届いていないかなという感じもしていて、今回は見守りサービスを賢く利用して、親の暮らしのリスクを減らそうというテーマをやりたいなと思っています。で、先日「オヤノコト」読者にアンケートを取ったんです。読者の方は「オヤノコト」が気になるから登録しているんですが、そのアンケートでは、こんな結果です。
高齢の親のための「見守りサービス」。 センサー、かけつけ、カメラ・・・いろいろあるのに、意外に知られていない!?
大澤 親も子どもも「見守りサービス」のこと、知らない。「オヤノコト」のアンケートで初めて知ったという人が親だと6割。子どもは7割。「そんなサービスがあるんですか」みたいな。でも意外と多くの見守りサービスの会社は、テレビでコマーシャルやったり、インターネットで広告出したりしているんですけど、滑ってるかなみたいな。
ルー大柴 私も知らないものが多かった。
大澤 ルーさんのご両親がお一人でお住まいだったころって見守りサービスって知ってました?
ルー大柴 見守りっていうか、デイサービスには行って、お手伝いしてもらったりとか、薬忘れてるみたいですよとか、そういうのは逐一ワイフには来てた。そういうのもある意味では見守りなのかなと。
大澤 そうですね。でも実際にセンサーでカメラを部屋の中につけて、「お母さん今日も元気でいるな」みたいなのは。
ルー大柴 それはしてなかったです。これはいつ頃からはじまったんですか。
大澤 たぶん、もう20年くらい前からありましたよ。意外と古いんです、見守りサービスって。
ルー大柴 カメラやセンサーで生きてるか調べるっていうの、ちょっとどうなのかって。
大澤 そうですね。わかりやすいんですけど、でも親からしてみると「何で監視されなきゃいけないんだ」と、それがなかなかうまくいかないところでもあって、難しいんですけど、親からしたら、体は弱ってきていても、子どもの監視に納得しない。
ルー大柴 認知症が進行してしまったら、僕はそれでもいいと思いますけどね。
大澤 親のプライドってありますからね。
ルー大柴 ありますよ。皆持ってますからね。
大澤 親の見守りって、親がご近所だったらそう意識しないかもしれないけれど、それでも田舎の親を東京に呼び寄せたりする人もいるんですね。でも同居できないので、近くのマンションとかで。
ルー大柴 同じです、うちも。
大澤 マンションにいても、日中は一人じゃないですか。日中一人で大丈夫かなと心配になって、見守りサービスがほしいなというケースもあります。
高齢の親のための「見守りサービス」を導入するメリットと注意点1 お互いに負担を感じない見守りサービスの導入するには?
大澤 見守りサービスっておおむね3種類あるんですね。
まずは、会話型。いわゆる、音声電話もあるんですが、「お元気ですか」と電話してくれるサービス。それから緊急通報型。これは警備保障会社が中心で、スイッチを押したり、倒れたりすると駆け付けてくれる、場合によっては鍵を開けて家に入ってくれるというサービス。あとはセンサーです。センサーがついていて、どうしているかなと。たとえばポットのお湯を使った時間とか、ガスとか電気とか、こういったものがセンサーです。大別すると、この3種類くらいになるんです。
大澤 そうは言っても、親からしたら「何で子どもに見守られるんだ」というのがあるわけで、注意点が3つあります。まずお互いに負担に感じない見守りですよね。コストもかかりますから、安いものから高いものまでありますが、やはり監視というイメージがありますから、だいたい子どもが「入れようか」というと、親は「いるかそんなもの」ということが多い。ここでトラブルになる。
なので、親の性格や生活のスタイルをちゃんと考えたうえで、話し合って選ばないとトラブルのもとになります。入れたはいいけど、スイッチを入れないとか、そういうこともある。ただ逆に言えば、入れたことで親との会話のきっかけになるというケースもあります。たとえば、「今日お母さん電子レンジ使ってたよね」みたいなことがきっかけで、電話で話をするみたいなこともあるので、必ずしもマイナスばかりじゃないんですよね。親の性格とかちゃんと把握しておかないと。
ルー大柴 親の性格ってありますよ。うちの女房のお父さんは頑固なところがあって、「オレはまだ大丈夫だ」っていう、体が大丈夫だというのがあるから、ホームには入りたくないって。入れたかったんですけどね。90歳近かったから。
高齢の親のための「見守りサービス」を導入するメリットと注意点1
お互いに負担を感じない見守りサービスの導入するには?
コストや監視というイメージからか、親子ともに負担に感じてしまうこともある見守りサービス。 親子でしっかりと話し合い、親の性格や癖なども把握したうえで、親の暮らしに合ったものを選ぶこと。 見守りサービスの導入がきっかけで、親子の会話が頻繁になるなど、うれしい効果も期待できるかも・・・。
高齢の親のための「見守りサービス」を導入するメリットと注意点2 親の「日常」を変えずに使えるサービスを選ぼう!
大澤 注意点の2つ目。日常を変えないサービスを選ぶ。
たとえば操作が難しいとか、覚えるのが大変とかいうと、だいたいそこで挫折をしたりします。あとインターネット経由でやるのが多いので、「自宅にWi-Fi環境がありますか? なかったらそういう環境をつけてくださいね」というと、だいたいそこで挫折する人もいます。めんどうくさいと。契約もめんどうくさいとなって。日常気軽に使えるサービス、そんなに手間をかけずに、操作も難しくなくというところを選ばないとだいたい挫折してしまう。生活スタイルを変えないで済むようなものというのが一番よくて、家にWi-Fiがなかったらダメですよと。だいたいあるんですけど、今はそういうニーズもあるので、セットで対応しますよというのもありますが、やはり生活スタイルをあまり変えることなく使えるサービスを選ぶというのが大事かなと思います。
高齢の親のための「見守りサービス」を導入するメリットと注意点2
親の「日常」を変えずに使えるサービスを選ぼう!
それ意外はパート、アルバイト、契約社員。無職という人も24.5%という数字も
●再就職は約半数程度に
親にとって新しい機器を持ち、新しい操作を覚えるのは想像以上に大変なこと。 せっかく安否確認・緊急通報サービスに加入しても、使いこなせなければ意味がない。 できる限り普段の生活を変えることなく、てがるに利用できるサービスを選ぶようにする。
高齢の親のための「見守りサービス」を導入するメリットと注意点3 サービス内容は千差万別。後悔しない選択を!
大澤 3番目が、後悔しない選択をとあるんですが、いろんな安否確認のポイントがあって、メールが送られてくるんですよ。こうでした、ああでしたと自分のスマホに送られてくるんです。そのうちだんだん「またか」と。入ったはいいけど、自分が大変になってしまうというケースもあるので、やはり設定条件とかは、自分の生活パターンに合うようにして、しっかり確認しておかないと、「なんでもかんでも、こんなに来るの?」となります。あとは金額もあって、思ったよりも「こういうときに使えないな」とか、「こういうときにもっとこうあってほしいな」みたいなものもあるので、入ってからまた他のものに変えるって結構大変ですから、よく考えて、サービス内容や自分の生活パターンや自分の性格も含めてちゃんと考えてやりましょうね、というのが3番目です。この3つがポイントかなと、アドバイスをしています。
高齢の親のための「見守りサービス」を導入するメリットと注意点3
サービス内容は千差万別。後悔しない選択を!
ガスや電気、家電製品などの利用状況から、 一人暮らしの親の様子を知らせてくれる安否確認はその気軽さがポイント。 車の運転状況が送られてくるサービスもある時代、メールが送られてくる頻度は、各社のサービスによって異なる。 設定条件などが、自分たちの生活パターンに合うか、加入前にしっかりと確認しておくこと。
「オヤノコト」でご紹介している、高齢の親のための「見守りサービス」
「オヤノコト」でご紹介している、高齢の親のための「見守りサービス」
・東京ガス「くらし見守りサービス」
・東京電力エナジーパートナー「遠くても安心プラン」
・セコム「親の見守りサービス」
・ALSOK「見守りサービス」
・象印マホービン「みまもりほっとライン」
大澤 これから「オヤノコト」のウエブサイトでご紹介している見守りサービスを簡単にご紹介していきます。
まず、東京ガスさんの「くらし見守りサービス」。
ガスの消し忘れとかです。結構やってしまうんです。つけっぱなしとか。
ルー大柴 若い子だってあるじゃないですか。
大澤 あります、あります。
ルー大柴 若いときアパートに住んでて、「あ、消したかな」とかあります。
大澤 つけっぱなしにして、ちょっといいかなと離れていて、気がついたら忘れていたというのはありますね。
ルー大柴 これはお年寄りじゃなくてもありますけどね。
大澤 こういったガスの消し忘れを遠隔で遮断したり、自動で通報してくれたりとかいうようなサービスもあるんです。それに東京ガスさんのサービスはプラスで、玄関ドアのところにカギのセンサーをつけておいて外出して戻って来たりするとわかる、というようなサービスがついているのもあります。東京ガスは24時間監視しているんです。何かあったらすぐに親の家に電話して、「つけっぱなしじゃないですか」みたいに言ってくれます。
大澤 次はセコムさんです。機械警備ですから、簡単なホームコントロールつけて、「マイドクター」というのがあって、握ると通報されて警備員が駆け付けてくれる。
ルー大柴 これはいいと思いますね。特に一人暮らしの方ね。
大澤 そうなんです。ここまで機械的なもの、おおごとじゃなくてもということで、「みまもりホン」という、持ち歩いていて、何かあったら押すと駆け付けてくれる、そこまで来てくれる、外にいても位置情報でわかるというのもはじめられています。
大澤 それからアルソックさん。見守りサービスとして「みまもりサポート」とか「みまもりパック」とかかがあるんですが、それぞれ機械警備だったり、あるいはカメラつけたりとか、生活のリズムをセンサーで通知してくれたりとか、こんなものもアルソックさんはやっています。
大澤 それからポットと言いましたが、象印さんの「みまもりほっとライン」はもう20年やっているんですよ。
がんばっています。ポットのお湯を使った時間を手元のスマホに通知してくれる。外出したときは外出モードにしておけば、外出しているというのも通知してくれる。水分をどれだけ摂っているかという量まではわかりませんが、いつ電源を入れたか、いつ給湯したかという使用状況がわかります。置いておくだけなので、センサーやWi-Fiをつけなくていい。買って置いて、設定すれば使えるという気軽さがあります。
ルー大柴 もちろん水は自分で入れるんですよね。
大澤 もちろんです。そこまではしてくれないです(笑)。そういうサービスですね。
大澤 そのほか、日立さんに「ドシテル」というサービスがあって、センサーを家につけて、カメラじゃないので、リビングにつけておくと、今動いているなとか、座っているなとか、反応が鈍いなとかいう生活リズムを分析して教えてくれる。あとは、電球で見守りをしてくれるとか、NTTさんは同じように電球をトイレとかにつけておくと、つけっぱなしだったり消えている時間とかを教えてくれたりと。
あとインフィックさんは介護の会社なので、そういったノウハウを生かしてサービスを展開していると。これはほんの一部です。各社さんがいろいろやっています。
ルー大柴 各社が見守りサービスをいろんなケースでつくっているんですね。
で、どうなんですか。
大澤 なかなか対象者にうまく刺さっていない、という感じなんです。これから各社がどう頑張ってくださるか。
ルー大柴 でもこれを知ってることによって、「僕はこんなところが足りないから」といって、見守りサービスを受ける人もいるかもしれない。
大澤 そうです。知らない人も多いんです。実際に親の介護までではなくても、親が心配で毎週東京から田舎に帰省して親の顔を見て帰ってくるような人がいるんです。そんな読者にうちが「見守りサービスをやってますか」「やってません」「どんなイメージできますか」と言っても、「よくわかりませんね」と刺さっていないんです。どうやって刺すのか、これもうちの役割なんでしょうが。
ルー大柴 そういう人たちにもこれを教えてあげる。そこで「これはいい、うちにほしいわ」と思う方もいらっしゃる。
大澤 いると思います。選ぶのが大変というのもあるので、なかなか皆さんが踏み切っていないのではと思いますが。ちなみに、今回は象印さんが「オヤノコト」の読者向けに2カ月間無料でお試しできるキャンペーンをやっています。
詳しくは「オヤノコト」のサイトの方まで来てもらえるといいかなと思います。
ルー大柴 わかりました。待ってます。
大澤 ということで、今回は見守りのサービスについてのご紹介でした。簡単でしたが。また次回お楽しみに。ルー大柴さん、ありがとうございました!
ルー大柴 ありがとうございました。またお会いしましょう。シーユー!
●「オヤノコト」チャンネル 今日のまとめ
高齢の親のための「見守りサービス」は多種多様。
カメラ、スイッチ、センサー、アプリ、スマホなど・・・。
親の暮らしに合ったサービスを選んで、上手に活用して、リスクを減らそう!
(撮影:2020年12月)
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