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79歳経営者から聞いたシンプルな元気の秘訣

2020-03-19
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画像はイメージです



 使い古されたような気もするが、「人生100年」という言葉が相変わらずはびこっている。
 このコラムは、人生100年をテーマにしつつも「これから、どうする」としている。つまり、「100歳まで本当に健康で安心して本当に暮らせるの?」という課題提起をしているつもりだ。
 だが、テレビや新聞を通してコマーシャルベースで飛んでくるものは、富裕層を対象にした浮ついた表面的なものばかりのような気がするのは私だけであろうか・・・。

 先日、バリバリ元気な創業経営者にお会いした。御年79歳。日々日本中を飛び回り、朝から分刻みで仕事をこなし、こちらが「いつ休んでいるんだろう」と訝しがるくらいのハードワークをこなしている。
 お会いしたのが、ちょうど79歳の誕生日を迎えるタイミングだったのでブレゼントを持参して、「どうしたらそんなにお元気でいられるんですか? 秘訣(ひけつ)を教えてくださいよ」と聞いてみた。
 回答はいたってシンプル。「あ、それはクヨクヨしないことだな」と一言だった。内心、食事や運動に何かヒントがあるのだろうと思っていたので、少し拍子抜けした。

 確かに100歳で元気な高齢者に「何か食べるものに気をつかってますか?」と聞いても、「好きなものを好きなだけ食べてるよ」という人も多い。日本人最高齢の女性がテレビに出ていて炭酸飲料の「オロナミンC」を日課のように飲んでいるのを見たとき、健康オタクの30代、40代が「炭酸は飲みません」と言っているのを思い出し、100歳まで生きるために何がポイントになるのか分からなくなってしまった。
 高齢になると健康のために粗食がいいと思っている人が多いようだが、それも違うらしい。

 ネスレ日本が2019年6月に調査したデータによると、「粗食が大切であると思うか?」という設問に対して、75歳以上の高齢者の76%と介護支援者(同居家族)の51%が「はい」と回答したのに対して、管理栄養士の80%は「いいえ」だった。つまり、100歳まで健康で生きるためには「粗食」がいいとはかぎらないようだ。

 巷の噂で「そうだ」と思いこまれていることが、意外にも「そうではない」ことも多々ありそうだ。



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=本記事は、夕刊フジに連載しているものです。
 

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このコラムを書いた人:「オヤノコト.マガジン」編集長 大澤 尚宏(Osawa Takahiro)
著書『そろそろはじめる親のこと』(自由国民社)

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