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対策進まぬ「介護離職」問題 老老介護や老親介護で破産する人が増加!?

2020-02-10
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「そろそろはじめる親のこと」(自由国民社)




 人生100年、まさに「これから、どうする」という課題の1つが「介護離職」の問題だ。

 私の著書「そろそろはじめる親のこと」(自由国民社)でもくどいほど説明しているが、今年から本格的に「介護離職者」が増えると考えられている。私にとって、政府や官僚、いわんや企業も本気でその対策を講じようとしているのだろうかと、疑問を持つことがあるのだ。

 そもそも、2015年9月の「アベノミクス新3本の矢」のひとつが「介護離職ゼロ」だったが、それから5年目を迎え、具体的な対策が進んでいるとも思えないし、しようとしているとも思えない。

 それどころか、マスコミから介護離職の話題が消えうせたかのごとく、増えているのか減っているのかも触れられることはない。
 ともかく、団塊ジュニア世代が50代に入り、団塊世代全員が75歳(後期高齢者)に差し掛かろうとしている今、そのことを考えず、「人生100年か…」と漫然としている場合ではない。

 ご存じかと思うが、団塊ジュニアは生涯未婚率も高く、きょうだいの数も少ない。当然のごとく、介護を自分自身で担わなければならないという事態に陥ることは間違いない。

 そうなれば、介護休業やら介護休暇を使って仕事と介護の両立ができる人はどれぐらいいるだろうか?
 介護保険も今後縮小してくるであろうことはいうまでもないが、年金も目減りしてくることをかんがみれば、仕事をしながら介護をし続けることは至難の業だ。

 まさに、老老介護や老親介護で破産する人が増えることすら考えられるのだ。

 ちなみに、老人ホームに親を入れる、自身が入ると想定しても、それなりの費用がかかるが、2018年の国民生活基礎調査でも、65歳以上の高齢者世帯で、その収入が「年金のみ」と回答した世帯が50%を超えているし、「生活が苦しい」との回答も55.1%となっている。そんな中で、親が要介護者になっても、お金も労力も「まったく心配していない」という人など、ほんの一握りであろう。
 老親のこと、そして自分の老後のことを、どのように考えていくか。

「そろそろはじめる親のこと」(自由国民社)はこちら



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=本記事は、夕刊フジに連載しているものです。

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このコラムを書いた人:「オヤノコト.マガジン」編集長 大澤 尚宏(Osawa Takahiro)
著書『そろそろはじめる親のこと』(自由国民社)

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