伊豆高原の老人ホーム見学ツアーに読者のみなさんと行ってきました
以前からお知らせしていた「伊豆高原の老人ホーム見学ツアー」を催行した。
当初の募集数は20名だったが、結果26名の参加となり、台風22号の影響で雨模様にも関わらず予約者全員が参加した。朝8時30分に「東京駅」に集合し、踊り子号に揺られて約2時間、11時に「伊豆高原駅」に到着、マイクロバスやタクシーに分乗して現地へ。
今回の見学会の舞台となったのは、いわゆる自立型の老人ホームである。
「老人ホーム」と聞けば、「介護が必要になったり、高齢になっておぼつかなくなった親を仕方なく入れるところ」というネガティブイメージを持っていると思うが、自立型というのは、つまるところ「入居時自立」ということで、入居時には日常のことは自身で出来ることが条件で、要介護状態の人は入居できないタイプだ。
今回の参加者の多くは、60代~70代のご夫婦やきょうだいが中心、なかには親子で、代理の「オヤノコト」世代だけという参加もあり、見学会内で実施した「老後のお金セミナー」などについて熱心にメモを取って聞いてくださっていたのが印象的だった。
セミナー後は昼食をいただき、館内を見学したが、まず、食事は基本中の基本。以前取材した際に、料理が趣味という70代の女性入居者が「ここの食事は出汁をしっかりとっていて美味しい」と言っていたので問題ないとは思っていたのだが、味の好みは人それぞれ。自分の親の好みの味に合うかなど、見学の時には試食をしてしっかりとチェックしておきたいものである。
ひととおり見学を終えてコーヒーブレイクとなったが、参加者の70代ご夫婦から問い合わせがあった。 私がセミナー内で話した「老人ホームは人徳産業である」という言葉については「人徳産業という言葉の意味を詳しく知りたい」と奥様に質問され、さらに旦那様からは「どのくらいまで生きると想定してマネープランを設計したらよいのか?」と質問された。
まさに、人生は100年で計算する時代。 このような自立型の老人ホームに入居する際は、介護が必要になっても住み続けられ、看取りまで対応してくれるのは安心だが、トータルでかかる費用についてはしっかりと計算しておきたい。 今の時代、平均寿命(80代)で人生設計することはリスクであることを知っておくべきだ。
=本記事は、夕刊フジに連載しているものです。
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- このコラムを書いた人:「オヤノコト.マガジン」編集長 大澤 尚宏(Osawa Takahiro)
- 著書『そろそろはじめる親のこと』(自由国民社)