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介護にかかる費用について、事前の情報収集を

2017-11-13
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今回の衆院選で自民党が圧勝し、第四次安倍内閣がスタートした。
政策の柱は、「生産性革命」と「人づくり革命」を挙げ、少子高齢化問題に立ち向かうという姿勢を打ち出している。

ただ、2015年9月に打ち出したアベノミクス新3本の矢のひとつは「安心につながる社会保障」であり、そこには「介護離職ゼロ」が謳われていた。
しかしながら、あれから約2年を経過した今、この「介護離職ゼロ」に向けた抜本的な対策が打たれているとは思えないし、この問題が改善に向かっているとも思えないような気がしているのは自分だけだろうか。
くどいようだが、介護離職からわが身を守るためには、早めの備えが大切だ。40代から親の介護に直面し、仕事に影響を受けている人は相当数いるし、周りにも、40代で親の介護をすでに終えた「介護経験者」もたくさんいる。さらに、30代でダブルケア(育児と介護の双方を担う人)が25万人を超えているという現状もある。

「介護離職」に誰もが直面する可能性を考えたとき、親の介護についてかかるお金のことぐらいは事前に知っておいて欲しい。
公的介護保険制度では原則1割負担で各種サービスが受けられる(収入により2割)。あくまでもサービスであって、金銭が受けられる訳ではないので注意が必要だ。
例えば、要介護1の上限額は月額50,030円、要介護2で104,730円、生活全般に全面介護が必要な要介護5なら月額で360,650円が月額利用の限度額だ。

そのほか、公的介護保険以外で必要な自己負担額についても知っておくべきであろう。
ある調査では、親を在宅で介護している人の月額の介護費用は約37,000円だという。
これは介護保険を利用し、さらに自己負担で支払った金額だ。そのほか、医療費や介護用品代などの介護サービス以外の費用が32,000円だというから、合計で月額69,000円も出費があるという。

今や、40代、50代でも非正規で働く人も多く、収入はもちろん貯金もままならない時代であることを考えれば、親や自分の貯金を切り崩したとしても、介護が4年、5年と長期に渡れば給与や親の年金だかでは生活もおぼつかなくなることも充分に想定できる。
もちろん、施設に入居するとしても費用がかかる。
比較的安価に入れる特別養護老人ホームでも、要介護3以上と条件が厳しい上に、エリアによっては、待機者数が多く簡単には入居できないこともある。
「介護離職」に備えるためには、金銭面についての情報も早めに集めておきたい。

=本記事は、夕刊フジに連載しているものです。
 

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このコラムを書いた人:「オヤノコト.マガジン」編集長 大澤 尚宏(Osawa Takahiro)
著書『そろそろはじめる親のこと』(自由国民社)

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