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介護離職に備えるためには、自分が勤めている会社の制度を調べておこう

2017-10-30
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介護離職が年間10万人を超えている今、まだまだ会社側の対策や認識が充分ではないことは言うまでもない。

40~50代でも、「介護離職と言われても、ピンとこない」という人は少なからずいるし、「介護離職が現実味を帯びてくるのは50代以降じゃないの?」と言われることもある。確かに、50代になれば、親の年齢は平均的に80代前後になってくるだろうから、「介護」が現実味を帯びてくるという意味なのであろう。

しかしながら、これは個人差も問題もあるのだろうが、40代前半で介護中、あるいは親の介護を終えた、という人に遭遇するケースは明らかに増えてきている。今や、40代で親の介護をしている、経験した、という人は相当数いるのではないだろうか。

以前も、育児と介護の両方を担わねばならない「ダブルケア」をしている人が25万人を超えているということを書いたが、まさに、30代後半から「親の介護」という問題に直面する人がますます増えていくことは確実だ。

もちろん、政府も手をこまねいている訳ではない。10月1日には、改正育児・介護休業法が施行された。介護が必要な家族を抱える人が、仕事と介護を両立していけるようにするため、介護休業や介護休暇、時短勤務などを活用して、よりフレキシブルな働き方ができるようにしたのだ。

例えば、
●介護休業は、
【これまで】介護を必要としている家族(対象家族)1人につき、通算93日まで原則1回に限り取得可能

【現行】今回の改正では、(93日は変わらないが)3回を上限として介護休業の分割取得を可能としている。

●介護休暇(年5日)
【これまで】1日単位
【現行】半日(所定労働時間の2分の1)単位の取得も可能とした。

●介護休業給付の給付率は、それまで月額賃金の40%だった介護休業給付金が、67%に引き上げて支給

さらに、介護のための時短勤務や初頭体労働の免除など、内容の充実や新設されている。

ちなみに弊社が昨年3月に40~50代に調査したアンケートでも、「勤め先の介護に関する制度の認知度」について尋ねたところ、「よく知っている」と回答した人はたったの11%しかいなかった。つまり、約90%は「知らない」または「知っているが、詳しくは知らない」と回答している。介護で仕事をやめないために備えるという意味では、自分の勤める会社の制度をよく知っておきたい。

ただ、この「介護休業」は、自分で介護をするためではなく、「仕事と介護を両立するための体制づくりをするための時間」と考えるべき。家族の介護体制や介護サービスの手続きなどの段取りをするために有効に使いたい。

=本記事は、夕刊フジに連載しているものです。

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このコラムを書いた人:「オヤノコト.マガジン」編集長 大澤 尚宏(Osawa Takahiro)
著書『そろそろはじめる親のこと』(自由国民社)

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