「自分のこと。ときどき親のこと。第3回~いつかは2人暮らし? ひとり暮らし?」
シングルが増えています。
50歳時点で1度も結婚していない人の割合を「生涯未婚率」といいますが(「余計なお世話」的言葉ですね。50歳過ぎてから結婚するケースもあります)、2030年には男性が30%、女性は23%に達すると予測されています。
一方、離婚するケースも増加しています。結果、これからは高齢者だけでなく、中年世代も含め単身世帯が急増していくだろうと言われています。
誰かと暮らすかひとりで暮らすかは、個人の選択。良い・悪いということではありません。また、単身世帯の増加は、女性の経済力が向上し、結婚しなくとも生活していけるケースが増えたことも一因でしょう。ライフスタイルの選択肢が広がったことを意味すると考えれば、歓迎すべき傾向だと思います。
しかし、親世代の単身世帯が心配なのと同様、中年世代の単身世帯にもリスクはあります。現行の社会保障制度は同居家族の助け合いを前提に設計されているためです。単身の場合は、常に一輪車状態なので走り続けなければならない…。いざというときに支えてくれる人がいないため、失業したり病気になったりしたときに、一気に貧困に陥る可能性が高くなるといえます。
こうした「単身世帯」の急増という背景のもと、社会保障制度も改変されていくのでは、と期待したいところですが、そうとも言えないようです。
先日も、厚生労働省が、介護の必要度が低い「要支援1」「要支援2」と認定された人向けのサービスを、将来は介護保険制度から切り離すことも含めて見直す方針、という報道がありました。増加する介護費用を抑制する目的です(原稿は当時のもの)。
介護保険のほかにも、自治体独自サービスやボランティアのサービス、民間サービスがあるとはいえ、少し不安になります。
一輪車状態で、困ったことが起きたとき、だいじょうぶかな?
ふたり暮らしで、どちらかの具合が悪くなった時、もう一方の負担がより一層重くなるのでは…、共倒れしないかな?
老後のリスク。ますます自助努力で何とかしなければならなくなるのかもしれません。おひとりさま確定組の私としては、親の老いを見ながら、自身の老後をシミュレーションし、リスク回避の方法を模索しようと思うこのごろです。
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