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「自分のこと。ときどき親のこと。第4回~自身の体調不良、無視しないで!」

2017-07-24
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昭和35年生まれの私のまわりは、同級生が集まれば、必ずと言っていいほど「親」のことが話題にのぼります。
「親が入院した…」
「親が亡くなった」
親の年齢は80歳前後から85歳くらい。介護のまっただ中で、「家を空けられない」と話す友人も少なくありません。
親の老いと向き合う話に続いて、これまた必ずというほど話題にのぼるのが、自身の体力低下や体調不良について。
5年ほど前は、これほどではありませんでした。
しばしば配偶者が病に倒れるというケースも耳にします。
同い年のS子は、最近、夫をガンで失くしました。S子の両親は80代で健在。夫の母親は亡くなっており、父親は介護が必要な状態です。夫の発病は、義父の介護のことで頭を悩めているさなかでした。夫婦共働きのS子夫婦。仕事と介護のやりくりのことで頭がいっぱいで、夫の受診が遅れてしまったといいます。
生涯でガンにかかる率は、男性58%、女性43%。(国立がん研究センター)
男女とも50歳代くらいから増加し、60歳代以降は男性が女性より顕著に高い数となります。
周囲に気掛かりなことがあると、自身のことは二の次になりがちです。しかし、語弊があることを承知でいえば、80代の親の病気やけがよりも、50代の病気やけがのほうが、その後の生活への影響は大きいといえます。
S子のところは、夫が亡くなり、当然ながらその所得がなくなりました。大学生の子どもの学費は奨学金が出ましたが、生活は厳しくなりました。
さらに、義父の介護をどうするか。
S子の夫はひとりっ子だったため、S子としても放置するわけにいきません。とはいえ、夫を亡くし、自分と子どもの生活のことで頭はいっぱいです。
きっと、夫もどれほど心残りだったことでしょう。何より、50歳と少しで亡くなることになり、無念だったに違いありません。
命にかかわる病気ではありませんが、更年期障害に苦しんでいる友人もいます。体が言うことを聞かないと、計画したことが思うように進まず…。
それでも、「ガンバロー」と前進を試み、うつを発症するケースもみられます。
親のことは大切です。
でも、自分が元気であってこそ、支える側に回れるのではないでしょうか。
体調不良を感じたら、休息をとる。早めの受診や定期的な健康診断も大切です。
「子」といっても、10代、20代ではないんです。そんなには頑張れません…。

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このコラムを書いた人:介護ジャーナリスト 太田差惠子(Saeko Ota)
介護・暮らしジャーナリスト NPO法人パオッコ理事長 AFP(日本ファイナンシャル・プランナーズ協会)会員 京都市生まれ。高齢化社会においての「暮らし」と「高齢者支援」の2つの視点から新しい切り口で新聞・雑誌などでコラム執筆、講演活動等を行う。1996年、親世代と離れて暮らす子世代の情報交換の場として「離れて暮らす親のケアを考える会パオッコ」を立ち上げ、2005年5月法人化した。現理事長。2012年3月、立教大学院21世紀社会デザイン研究科前期課程修了。介護、ジェンダー、ワークライフバランスなどを総合的に学んでいる。個人サイトは「太田差惠子のワークライフバランス」著書に『老親介護とお金 ビジネスマンの介護心得』(アスキー新書)、『故郷の親が老いたとき』(中央法規)、『遠距離介護』(岩波ブックレット)など多数