高齢者、親の見守りサービスは必要ですか?
高齢者の見守りカメラ、スイッチ、センサー、アプリ、スマホ。どの見守りサービスを選択すべきか?
- 一人暮らしの高齢の親が増えている今、離れて暮らす子世代にとっては、気になる「見守りサービス」 でも、本当の必要なの?
- 親世代と子世代に聞きました!「見守りサービス」気になるポイントは? 親の本音、子の本音とは?
- 見守りサービスと聞いて、どんなイメージがありますか? 親の声は結構辛辣なものも多いけれど、子世代を含めて、どこかハードルがあるような結果ですね。
- 見守りサービスを選択する際に気になるポイントやサービスについてのご意見
- まずは、親の暮らし方、身体状態を把握してから選択する
- 見守りサービスのサプライヤーに聞いてみました! (象印マホービンのサービス)
一人暮らしの高齢の親が増えている今、離れて暮らす子世代にとっては、気になる「見守りサービス」 でも、本当の必要なの?我が家に適したサービスをどう探すの? どれを選べばいいの?
離れて暮らす親が高齢になると、体調崩してないか?ちゃんと食事しているか?寂しくしていないか心配になることが多々ありますね。同居の場合でも、夫婦共働きだったりすると日中独居となるので、家の中での異変はキャッチしにくいもの。家の中のどこかで転倒していないか・・・、押し売り、押し買いみたいな人が来てないか?などの心配もあります。そして多いのが、親は、子どもに心配をかけまいと、自分の不調などはなかなか知らせてくれないことも。現に帰省した際に初めて入院していたことを知ってショックを受けたなんて話もあるくらいです。そんなことになる前に、日ごろから親とのコミュニケーションを密にしておきたいものです。
そこで、一つの選択肢が「見守りサービス」の導入。でも、「見守りサービス」と一口に言っても、タイプや料金設定はさまざま。親子の生活スタイルや性格、ニーズによって、適したサービスは違います。親世代と子世代、それぞれの立場から見守りサービスについての声を集めたり、サービスを提供している会社を取材してみましたので、ぜひ参考にしてください!
親世代と子世代に聞きました!「見守りサービス」気になるポイントは? 親の本音、子の本音とは?
見守りサービスについて、読者の皆さんはどう考えているのでしょうか。「オヤノコト」編集部でも、意外にも「親の見守り」が気になっている人でも、各社の見守りサービス(編集部ではメジャーだと思っていたサービスですら)を知らないという人が多くいることに驚きました。そこで、編集部に集まった読者の声の一部をご紹介しましょう。
◆高齢の親や家族を見守りサービスがあるのを知っていましたか?
(N=385 / 2019.5調査)
意外にも、初めて知ったという人が過半数を占めています!!
ただし、「見守り」という言葉がわかりにくく、個別のサービスを具体的に示すと「ああ、あれね!」という
場合も多々あるので一概には何とも言えそうもありません。
[親世代] | [子ども世代] |
見守りサービスと聞いて、どんなイメージがありますか? 親の声は結構辛辣なものも多いけれど、子世代を含めて、どこかハードルがあるような結果ですね。
[親世代]
[子ども世代]
見守りサービスを選択する際に気になるポイントやサービスについてのご意見
[親世代]
[子ども世代]
いかがでしょうか。
見守りサービスへのイメージはさまざまでしたが、気になるポイントはと言うと、
●「親への押し付けにならないか」
●「親は嫌がらないか」
●「料金とサービスの妥当性」
●「いざというときに、どれくらい役立つのか」
などの意見が目立ちましたね。
そもそも、見守りサービスの存在そのものがよくわかっていない。
見守りサービスの比較検討は個人ではなかなか難しい。
というのが実情でしょう。
親を見守りという行為そのものは気になるが、サービスを使うか使わないかに関しては、親世代も子世代も気になっているようですが、情報収集や契約というところまでは、なかなか具体的にはならないようです。
とはいえ、各社は様々な見守りサービスをリリースしています。
次に、サービスには、どんなタイプのものがあるのかご紹介していきましょう。
まずは、親の暮らし方、身体状態を把握してから選択する
見守りサービスは大きく分けて下記があります。自分の親の暮らし、またニーズでどれがさらによいか家族で考えておきたいですね。
① 会話型(コミュニケーションタイプ)
自宅を訪問したり定期的に電話するなどしながら、体調の変化やお困りごとなどを聞き出すサービス。
親が会話をすることで、ひとり暮らしの寂しさを癒したり、認知症の予防にもなる。
② 緊急通報型
警備保障会社などが展開しているタイプ、緊急時に本人がスイッチを押すことで警備員が自宅に訪問対応するなどのサービスを受けられるのが特徴。
③ センサー型
センサーを自宅内に設置したり、ポットや家電品やガスの利用状況などから生活状況を推測して、異常があれば子世代のスマホなどに知らせるサービス。
見守りサービスを導入するメリットと注意点とは・・・
●早めに親の“変化”がわかれば早い対策も講じられる!
高齢の親の介護状態となる日は「突然」やってくる場合があります。
いざという時に慌てないためには、離れて暮らす親の微妙な「変化」にも少しでも早く気づき、準備をしておくことが重要なのです。
これは、これまでたくさんのケーススタディを見てきた編集部としてぜったいにお伝えしておきたいこと。
「ウチはまだ早い、大丈夫」と考えるのではなく、元気だし、何も心配ないと思っている時から早めに安否確認サービスなどを導入しておくのも一つのリスクヘッジです。
●お互いに負担を感じない見守りサービスの導入を!
アンケートにも多々ありましたが、コストや監視というイメージからか、親子ともに負担に感じてしまうこともある見守りサービス、そこで、いざという時に頼りになるのが安否確認や緊急通報のサービスでも、ぜひ親子でしっかりと話し合い、親の性格や癖なども把握した上で、親の暮らしに合ったものを選びましょう。見守りサービスの導入がきっかけで親子の会話が頻繁になるなど、うれしい効果も期待できるかもしれません。
●親世代の「日常」を変えずに
使えるサービスを選ぼう!
高齢の親にとって新たな機器を持ち、新しい操作を覚えるのは想像以上に大変なこと。
せっかく安否確認・緊急通報サービスに加入しても使いこなせなければ意味がありません。
できる限り普段の生活を変えることなく、手軽に利用できるサービスを選ぶようにしましょう。
●サービス内容は千差万別
後悔しない選択を!
ガスや家電製品などの利用状況から、一人暮らしの親の様子を知らせてくれる安否確認サービスはその気軽さがポイント。車の運転状況が送られてくるサービスもある時代、メールが送られてくる頻度は、各社のサービスによって異なりますので、設定条件などが自分たちの生活パターンに合うか、加入前にしっかりと確認しておきましょう。
■見守りサービスのサプライヤーに聞いてみました!
象印マホービン「みまもりほっとライン編」
編集長からの一言
象印マホービンさんがポットで親を見守るサービスをスタートした2001年に、私が麻布十番にある象印マホービンさんに伺ったことを思い出します。
当時の獲得計画も教えていただきまたが、その後計画通りにはなかなか進まない中でも、粘り強く継続されていることに、企業としての誠実さを感じます。
今春、見守るサービスを展開する某クライアントさんから象印マホービンさんの取り組みをあらためて伺い、その丁寧で真摯なお仕事の進め方を知り、「長く続ける秘訣」のようなものを教えられた思いがしました。
オヤノコト系の商品やサービスは「人」がとても大事です。
「高齢化だからシニアビジネス」という安易な考えだけでは絶対成功しないのです。
2001年からサービスを開始し、これまで20年近くサービスを提供し続けている見守りサービスの草分け「みまもりほっとライン」。オヤノコト編集長の大澤も、まさに20年前にこのサービスについてお話を伺っていましたが、参入しては撤退を繰り返しているサービスが多い中、20年継続するというのは特筆すべきこと。そこで、担当の象印マホービン CS推進本部の川久保亮さんにお話を伺いました。
「みまもりほっとライン」を使っていただいているお客さまの声、
「いつもとポットを使う時間が違う。電話しても親は『大丈夫』としか言わないが、見に行ってみると体調を壊していました」
「ポットを使っていなかったので見に行ったら、倒れていました。早く気づくことができました」
「ポットのおかげで、最後まで一人暮らしができて、親孝行できました」
「(入院のためお知らせメールをストップしようとしたら)そのままメール配信を続けてほしい。また家に戻ることができるように」――
サービスを開始した2001年から、累計契約者は1万2千件を超えているというこのサービス、当初は早期に1万件突破を目指していたと記憶していますが、中々目標にはとどかなかったものの、あれから約20年、その継続する力には編集部も脱帽です。
そこで、川久保さんを直撃すると、
「私は3代目の担当者となりますが、歴代担当者とは今も時々集まって情報交換をしているほど思い入れのあるサービスです。「みまもりほっとライン」は家庭用品を扱う象印マホービンブランドのひとつであり、社会に貢献しているという自負もあります。月々の利用料金は3千円(税別)で、サービス開始から変えていませんし、契約料は1/3まで値下げしています。」と、その想いを語ってくれました。
さらに、「解約されるお客さまもいらっしゃいます。しかしその7割がご逝去、ご家族との同居、施設への入居、入院などのやむを得ない理由です。もちろんニーズが変わり、他サービスに移られるお客さまもいらっしゃいますが、ポットでの見守りの役割を終えたことに、私たちからお客さまに「ありがとうございました」と言いたい気持ちです。」とも・・・
「みまもりほっとライン」はさりげない見守りではありますが、この誠実な対応、想いがお客様に伝わり、継続を支えてきたのでしょう。
冒頭にご紹介したような感謝の声もいただいており、それが、やれるだけのことをやったという納得感につながっているのですね。
そして、最後に「近年、見守りサービスは多様化しています。大切なのは、お客さまのニーズに合ったものを選ぶことだと考えています。「みまもりほっとライン」はさりげなく親の毎日を見守りますが、何かあったときが心配なら、緊急時に駆け付けてくれるようなサービスがよいでしょうし、会話を重視するのなら電話がかかってきたり、スタッフが訪問してくれたりするサービスがよいでしょう。「みまもりほっとライン」のサービスがご利用者のご要望に応えるかを知ったうえで使っていただけたらいいですね。」とも。
なんでも自社のサービスが一番という訳ではなく、売らんかなでもない。
このような誠実なビジネス姿勢に共感しましたが、それはお客様ひとりひとりも同じ
川久保さんが言うように、親と子どもの見守りサービスに対するニーズはさまざまです。安否確認サービスと、緊急通報システムとを混同している人も多いようですが、この二つのサービスは分けて考えましょう。
ニーズに合った見守りサービスを選ぶ際の参考に、見守りサービスの例を挙げてみました。
☑日ごろの安否確認をしたい
●訪問して安否確認するサービス:配食サービス、乳酸菌飲料の配達サービス、郵便局員の訪問サービス●人感センサーやITで安否確認する:見守りカメラ、見守りロボット、電気やガス、水道のスマートメーター
●家電で安否確認する:ポット、電球
●電話やメールで安否確認する:自動音声による電話やメール、オペレーターによる電話
☑緊急時に対応してほしい
●緊急ボタンを押して連絡する緊急通報サービス●人感センサーが一定時間作動しないときに自動的に通報するサービス
人感センサーによる安否確認と長時間作動しない場合は自動的に通報される緊急通報を組み合わせるサービスもあります。
自治体による見守りサービスや緊急通報サービスもあります。機器を貸し出したり、サービスの使用料金を助成したりしていますので、親の住む自治体のサービスをチェックしてみましょう。
今、検討可能な主要見守りサービス一覧
編集部で取材した見守りサービスのサプライヤーを中心に、
他のサービスもあわせて紹介いたします。
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