30年後の日本は物騒な国に? 社会の変化を先読みした「サバイバル策」を
新型コロナウイルスの感染がヨーロッパで再拡大している。ロシアやヨーロッパ地域では9日と10日には1日当たりの感染者数が12万人を超え、各国は相次いで規制を強化するという。
これがアジアや日本に飛び火しないとはかぎらない。そうなれば、高齢化と人口減少で疲弊する日本の経済はますます厳しい状態に追い込まれるのではないかと懸念せざるを得ない。
まさに、人生100年時代とはいうキーワードも、「それどころじゃないでしょう」という先が見えない時代に突入した感がある。
ところで、先日も投資家、ジム・ロジャーズ氏のコラムで、「もし私がいま10歳の日本人ならば、自分自身に『AK-47』を購入するか、もしくは、この国を去ることを選ぶだろう」と述べている。ご存じの方もいるかと思うが、AK-47とは、旧ソ連が開発した自動小銃だ。
どこか寒々しいコメントだが、もちろん、本気で子供に銃を買えと言っているのではないことは明らかである。
つまり、ロジャーズ氏が言いたいことは、この先日本では、10歳の子供が40歳になる頃(2050年頃)には、街を歩くのも物騒で、暴動や騒乱が頻繁に起こる国になっている可能性があるということだ。
まさに、自己防衛しなければ生きていけない環境になっているかもしれないということ。
とすれば、今50歳の読者であれば、80歳に段階でそんな物騒な世の中になっているかもしれない。
この国が将来、80歳で銃で身を守らなければならない国になっていたら、その後の20年をどう生きていくから暗澹(あんたん)たる気持ちになるのではないだろうか。
だが、まんざら絵空事だと笑い飛ばせるたとえ話でもない。なぜなら、急速に人口減少が進む日本では、これからが社会問題が深刻になる本番到来だからだ。
拙著『そろそろはじめる親のこと』でも書いたが、高齢化と人口減少の本当のリスクが顕在化するのは2020年代に入ってからである。政府が何も対策せぬまま、介護離職問題も間違いなく顕在化するだろう。
人生100年を生き抜こうと思えば、自分だけで解決できないことも出てくる。そう考えて自分自身のサバイバル策を考えておくべきだ。
=本記事は、夕刊フジに連載しているものです。
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- このコラムを書いた人:「オヤノコト.マガジン」編集長 大澤 尚宏(Osawa Takahiro)
- 著書『そろそろはじめる親のこと』(自由国民社)